マッチングアプリを始めた話
ついにマッチングアプリを始めたので、その一部始終の記録。
私は以前からマッチングアプリというのが気になっていた。
普通に生活していたら出会えない赤の他人と会えるところが、新鮮で意外性があって人との出会いの中で一番面白いなと思っていた。
私は一回きりの人なら人見知りせずに話すことができるので、軽くご飯を食べられる友人が欲しいと思っていた。本当は女性を探したいが男でもよしと思った。
恋愛をしたいというよりかは誰かとご飯に行って、きっとアプリがなかったら一生交流することもなかった人とおしゃべりしたいな、くらいの気持ちだった。
何せ引っ越してからというもの周りに友達が全然いないのである。
人付き合いをするのも面倒なので、ランチを現地集合解散して一回で関係が切れる誰かを探していた。
あとシンプルにマッチングアプリが気になっていた。
色々なエピソードや動画で、「ほんとにこんな人いるの?」と興味津々だったのだ。
それにみんながやっているので私も経験として、この波に乗ってみたかった。
ドン引きしちゃうような奇人と出会ってみたかった。
友達がアプリをやっていたのでとりあえず同じものを入れて、プロフィールや写真を設定して登録を完了させた。どのアプリがいいだとかは分からないので、まずはこのアプリで慣れてから他のアプリでも遊んでみようと思った。
相手からのいいねが来てプロフィールを見ると、やっぱり香ばしい人はいた。
こ、これだ!!!!!本当にいるんだ!!!!
私は伝説の生物を見たくらいの興奮だった。
だが、さっそくこういう方たちに会うのもハードルが高すぎた。
まだアプリで実際に会うまでの流れも、アプリの使い方もわからないのである。
なのに一日に何十件といいねがつけられ、そのいいねを消化することに時間がとられていた。
自分から相手を探す前に相手からのいいねを消化してるだけで疲れていた。アプリを入れて3日後、おやすみモード(?)みたいな機能で一旦私のプロフィールを非表示にした。
そこで私はふと違和感を覚えた。
女子と出会えていない!!!!!!
そう、私が入れたマッチングアプリはちゃんと恋愛をしたい人向けのものだったのである。
男性は課金をしてまで出会いを求めているのである。
そんな中一回で切れる関係を求めてアプリに登録していることが申し訳なくなった。
ちゃんと調べなかった私が悪い。
すでにその時点で3人程とマッチングしていたので、この3人の方と失礼のないように会話を終わらせてから辞めようと思った。
だが思いのほか会話は盛り上がり、恋愛抜きで友達になりたいと思うまでになった。
相手は恋愛のつもりで来ているので入りの前提が違うのが悲しいが、きっといい友達になれる気がする!!人付き合いは面倒だから一回きりでいいかと思っていたが、ここまで同じ目線、レベルで話せる人が3人も!!おもしれえ!!これが女ならもっと気兼ねなく、学生からの友達とも職場の人とも違う新鮮な友人関係が築ける…!
そう思い、さっそくマッチングした人と初対面することになった。
今までネットで知り合った人と会ったことはあるがネットのイベントのオフ会しかなく、それも一回会ってそれまで。みたいなものだった。
きちんとお話をするつもりで、それも一回きりじゃなく今後も何かしらの形で関係を続ける前提で会うのは初めてだった。
かなり緊張していたが、これの積み重ねでいつかはアプリに潜む奇人と会って面白体験をするんだ!!という意気込みで、今回はリラックスして会話を楽しもうと思った。
実際に男性に会ってみると全然普通の方で、相手もあまり緊張していないのかお互い普通に会話ができた。事前に、私が気疲れするのでご飯だけにしましょうと言っていたのでご飯を食べてカフェでお話してその日は解散した。
お家について今日はありがとうございましたとメッセージを送って、何事もなく初対面を終えた。
やっぱりそうだよな、普通に恋愛目的の人もいるよな。ヤリモクと奇人のせいでアプリって危険なイメージはあるがちゃんとした人もいるよな。
来週は別の人と会う予定があるし、今回マッチングした3人はいい人だといいな。
私は初対面の日の夜、マッチングアプリってやっぱりおもしれえと感じながら眠りについた。
はずだったのだが、お昼に会った男性からメッセージが来た。
なかなかの熱い志だったので要約すると
「今回初めて直接お会いしてすごくいいなと思った。
自分は真剣に恋愛がしたいしやまぐろさんが今後他の人と会うのは嫌だ。
付き合いたい」
といった旨のメッセージが来た。
流石に一回目で決めるのは早いし、そもそも付き合う気で会っていないのだ。
友達を探す目的でアプリを始めたことはカフェで話した。
この人はタイミングが大事だから一回会っただけとか回数は関係なくて、自分がこの人いいなって思ったらストレートに行くタイプらしい。
初対面とは人見知りせずに話せる&今後の予行練習として気楽におしゃべりできたのが良かったのだと思う。
私は渋っていたが、相手の押しが強かったのと「このまま流されて付き合ってみても、それはそれで面白いんじゃないか」と感じたので付き合うことになった。
そう、まさかの最初に対面した人とその日のうちに流れで付き合うことになったのであった。
恋人はできたが本来の「奇人に会う」「近場の友達を探す」という目的は一つも達成されなかった。
恋人が出来てはアプリを入れるのもなんだか嫌だし、友達を作るのは諦めないでいいかと思った。しかし今までの時間配分の中で恋人との時間が増えたのにさらに新たな友達との時間を割くのは私には難しかった。一人の時間がなくなりそうだった。
結局、アプリを初めてみたが人に話せる爆笑エピソードは手に入らなかった。
だがやっぱり、世の中の人達のように恋人はできた。それはそう。
アプリにはちゃんとした人もいるんだなとこの目で確かめられたのが一番の学びだった。
また今度余裕ができたら友達作りにもチャレンジしたいなという次第である。