やまぐろノート

記録的日記

「好きなものを教える」は特別

好きなものを教えるって特別だ。

初めて会った人にカレーが好きなことは教えるかもしれないが、好きなバンドは教えない。

仲良くなったところで職場でしか会わない人には教えない。

プライベートで会うようになったら、もっと仲良くなりたいという思いでようやく秘密を打ち明けるかもしれない。

 

 

仲のいい友人グループがいくつかあるとして、そのコミュニティが一切交わらないものならばそこにいる私の顔も少し違う。

年上が多いコミュニティなら私は後輩の立場を徹底するしオタク仲間ならば趣味全開で話す。職場の人とは基本的に仕事のことで盛り上がる。

そのコミュニティでしか出ない顔、話題、ノリがある。

それは悪いことなんかじゃなくて、それぞれのコミュニティでの居心地のいい居方だと思っている。

例えばオタク友達と遊んでいるときにオタクじゃない職場の人と遭遇したときの気まずさ。

「やばいwwwwww今月グッズでお金使いすぎて死ぬ。推しに殺されるwwwwいや推しに殺されるなら本望なんだけどむしろ殺して欲しいくら・・・・・・・あ、こんにちは~あっはい 今日休みで~・・・・・・・・はいまた職場で~お疲れ様です・・・・・・・あっそれでさ買ったグッズなんだけど・・・・・」

双方向に気まずいのである。

すべてのコミュニティで同じ顔を出せたらいいかもしれないが私はそこまで人間関係をうまくやれない。

 

私はポルノグラフィティが好きだ。

誇張なしで、本気で生きがいだと思っている。

ポルノファンである私は、他のどのコミュニティにいる私よりも内向的でだらしない顔をしている。

ポルノファンであるということが私にとって重要なプライバシーなのだ。

そこが一番のセーフティーゾーンだと思っているので、誰かに踏み込んでほしくはないし分かり合いたいとも思っていない。

ポルノが好きな同士でさえ、いらないと思っている。

 

以前の職場で私がポルノを好きだと言ったら散々な言われようだった。

「渋い」「最近見ない」「やまぐろさん世代じゃないよね?」「顔かっこいいよね」

 

うるせえ!!!!!!!!

ちゃぶ台があったらひっくり返したい程反論したかったがやめた。

私はここで「そんなことないですよポルノの最近の曲だとこれがおすすめで...」

と布教をするようなファンではないので苦笑いで返すのだ。

そんな苦い思いを何回もしてきた。ポルノが悪いわけではない。

あのおじさん達は最高にかっこいいのでファンであることは誇りだが、どうしても世間のイメージというのは簡単に更新されないのである。

私はこういう時に「え?ポルノ好きなんだ!ライブとか行ったことあるの?いいなー私も行ってみたい」と(私基準で)肯定的な返しをしてくれた人にしかこの話を広げない。

 

そんな私の「好き」は特別な人にしか伝えない。

そもそも人見知りで仲良くなるのに時間のかかる私は、好きを打ち明ける相手は慎重に選ぶ。

私と話している相手が第三者に対して「やまぐろさん〇〇が好きで〇〇なんだよ」と我が物顔のように私のことを話されるのが嫌いな私である。

こんなに拗らせていなければもう少し人間関係うまくやれたのにとは思う。

ただ私は「友達」と「仲のいい職場の人」では明確に線引きをしている。

不器用な私が数少ない友達を大事に出来るように、ある程度の優先順位はある。

その線引きの基準が、「好きなものを教える」である。